虫に鳥にも

読んだものと日々の記録。

四柱神社

 初詣といえばいつも、とりあえず町の神社には行くのだが、もっと近くに地域の神社があることを知り、初めてお参りした。生まれて30年、一度も行ったことのない神社だ。

 坂道の下に車を置いて山の上まで登るのだが、これが坂道というより山道、獣道で、何度も足が滑りかけた。足元にはどんぐりや椎の実がばらばらと落ちていた。まだ町が炭鉱で栄えていた時代、母が幼い折は、露店なんかも出て賑わっていたらしい。途中に一度、ひらけた広場があって、隅に追いやられた遊具が錆ついて草むらに埋もれていたのが、往事の名残りかもしれない。

 境内といっていいのかどうか、もしかしたらそこに至るまでの獣道も境内だったのかもしれないが、山の上のひらけた敷地はほんの5メートル四方程度で、本殿もなく、鳥居と、四つの石のほこらがあるだけだった。四柱(よはしら)神社というらしい。

 ほこらは飾り気のない、本当に石の柱のような形だった。とはいえ、ただの柱ではなく、前面は石のとびらで閉じられており、その中にご神体があるだろうことを想像させた。さびれた雰囲気とは裏腹に、意外にも四つのほこらそれぞれにお神酒や榊、みかん、小銭がお供えされていた。正月にあわせて準備やお参りする地元の人間が、まだかろうじて残っているらしい。

 立看板や説明書きもなかったので、後日、四柱神社について調べてみたが、とくにめぼしい情報は得られなかった。長野県に同じ名前の神社があるらしく、天之御中主神高皇産霊神神皇産霊神天照大神を祀っているようだが、さすがにそんな大層な神社の分社ではないだろう。図書館で町の郷土史をひもとけば、何か記述があったのだろうか。いったい何を祀っている神社なのかは、結局、わからずじまいだ。