虫に鳥にも

読んだものと日々の記録。

面倒くさがっているうちに

 今年の秋に行った二つの美術展について書こうと思いながら、結局何も書いてない。つくづく日記を書くのに向いていないと思う。中学生のころ、毎日担任に提出する3行日記みたいなのがあって、ほとんどは何を食べたかだけを書いてしのいだ。

 感情を言葉にするのは難しい。日記を書けば多少はその訓練にもなるんだろうけど(浅田次郎『プリズンホテル』の主人公みたいに)、難しいなと思っているうちに、だいぶ日が過ぎて、記憶も感覚も曖昧になってしまう。そんないつまでも覚えていられるような感情の動きもないし。

 言葉にするのが下手ということは、久しぶりに友人と会って会話していても痛切に実感してしまう。なんであんな微妙な感覚を、うまいぐあいに表現したり、表現しようと試みたりできるんだろう。私はその手前で心がくじけてしまう。これもやっぱり普段から会話しなさすぎなんだろう。あまり会話しなくていいのが今の職場のよいところだ。

 会話をしたり、運動したり、ご飯を食べたり、眠ったり、そういうのを面倒くさがっているうちに、目の疲れや寒さも加わって、呼吸が苦しくなってきた。電車の中で、ちゃんと息ができているかどうかを確認しながら出勤する。どうにも筋肉がこわばっている。頭痛を避けるために湯船にだけは毎晩つかって、布団に湯たんぽを用意して、お気に入りの抱き枕と添い寝して、居心地のいい暗闇の中、自分のぎこちない肺の動きを意識している。眠る前にはいつも、このまま目覚めない不安がじんわり頭にしみこんで、それでも割とすぐに寝付けるけれども、6時間後ぐらいに肩の寒さで目が覚める。本当は眠るのが好きだから、10時間ぐらい眠っていたい。