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虫に鳥にも

読んだもの、見聞きしたものの記録に。

河野稠果『人口学への招待』 その2 高齢化と少子化

社会学(読書記録)

 

(2)年齢構造と高齢化

 

▶年齢構造

 人口学では人口構造の年齢について、大きく三つの部分に分けて考える。第一は15歳未満の「年少人口」、第二は15歳から64歳までの「生産年齢人口」、そして第三は65歳以上の「老年人口」(あるいは「老齢人口」)と呼ばれる部分である。(23頁)

 

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▶超高齢化社会

 国連の基準では、総人口に占める老年人口比率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と規定しています。

 日本は少なくとも、1970年には「高齢化社会」、1995年には「高齢社会」、2010年には「超高齢社会」に到達していることになります。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2060年には老年人口の割合が約4割にのぼる見込みです。

 

▶人口ボーナス

 1970年から2000年にかけての日本は「人口ボーナスの時代」であったといいます。「人口ボーナス」に具体的な定義はありませんが、著者の経験によると、従属人口指数(生産年齢人口100人に対する比率)が50%を割っている状態です(表内の赤枠)。

 従属人口指数が半分以下ならば、経済を担う生産年齢人口が3分の2以上で……経済的に非常に有利な人口学的状況をもたらすのである。(26頁)

 

▶扶養係数

 扶養係数とは、老人1人を何人の生産年齢人口で支えるかの指標です。日本では、社会保障の領域では、老年人口を現役世代が支える構造になっているので、高齢化の社会経済的影響をわかりやすく見ることができます(ただし、15~64歳のすべてが実際に経済活動に従事しているわけではないので、その点は留意が必要です)。

 2060年の予測では、扶養係数は1.3、つまり1.3人の現役で(上述のように働いていない人も含まれるので、実質的にはほぼ1人で)1人の老人をサポートする計算になります。

 

(3)合計特殊出生率

 

 合計特殊出生率は、最近もっともよく使われる指標である。これは簡単に言えば、女性の再生産年齢(15~49歳)のそれぞれの年齢別出生率を合計したものである。……

 ここで注意しなければならないのは、年齢別出生率の分母は女子人口であり、有配偶女子だけに限るものではないということである。(68~69頁)

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 2014年の合計特殊出生率は1.42(15~49歳の女性1人あたり1.42人の子どもを出産している)ですが、それに対し、現在の人口を維持するために必要な人口置換水準は2.06となります。

 とはいえ、よく少子化・人口減少に警鐘を鳴らす指標として用いられる合計特殊出生率ですが、上記で引用したように、この指標の分母には有配偶者だけではなく、未婚者・死別者・離別者も分母に含んでいます。昨今の日本の晩婚化や、有配偶率の低下、さらに婚外子が稀なことを考慮すると、合計特殊出生率が低下していくのは当然でもあります。

 

 

⇒その3に続きます。