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虫に鳥にも

読んだもの、見聞きしたものの記録に。

飯田高『法と社会科学をつなぐ』 その3 「社会」と「世間」

(4)「社会」と「世間」 今回はちょっとタイムリーなテーマかもしれません。 ■社会的な苦痛 世の中には人間嫌いという人がいます。私ももう少し若い頃には、自分は人間嫌いなのだと思っていましたが、正確にいうと、社会的なやりとりが嫌いなのだと思いま…

飯田高『法と社会科学をつなぐ』 その2 「われわれ」意識

(3)「われわれ」意識 ■社会的動物 前回、人間は社会的な動物である、という表現を使いました。有名な言い回しですね。 社会的動物 social animal, political animal アリストテレスが社会的=ポリス的存在として人間を規定したことば。この種の規定として…

飯田高『法と社会科学をつなぐ』 その1 カスケード現象

▲飯田高『法と社会科学をつなぐ』(有斐閣、2016年) (1)目次構成 ここで取り上げられている社会科学とは、経済学、心理学、社会学の領域です。目次構成は以下のようになっています。 第1章 個人の意思決定 インセンティブ/意図せざる結果/限界効果/…

河野稠果『人口学への招待』 その3 結婚

(4)少子化と結婚 ▶年齢別有配偶率 ……日本では結婚の代わりとなる同棲、パートナーシップ、そして婚外出産は非常に稀であり、出産はほとんど結婚を通じて生ずる。…… 日本では、これまで少子化の流れにもかかわらず、期間別からみた有配偶出生率が比較的安…

河野稠果『人口学への招待』 その2 高齢化と少子化

(2)年齢構造と高齢化 ▶年齢構造 人口学では人口構造の年齢について、大きく三つの部分に分けて考える。第一は15歳未満の「年少人口」、第二は15歳から64歳までの「生産年齢人口」、そして第三は65歳以上の「老年人口」(あるいは「老齢人口」)と呼ばれる…

河野稠果『人口学への招待』 その1 基本のデータ

▶河野稠果(こうの・しげみ) 1930(昭和5)年広島県生まれ。58年米国ブラウン大学大学院社会学研究科博士課程修了(Ph.D.社会学)。同年厚生省人口問題研究所入所。61~63年インド・ボンベイ国連人口研修・研究センター教授として出向。67年国連本部人口部…

釘原直樹『スケープゴーティング』 その4 分析と対処

(5)新聞記事の分析 本書の前半は心理学的見地からの検討が中心でしたが、後半では新聞記事などのテキストデータを用いて、社会学的にアプローチしています。 ▶事故歩道と感染症報道 現実のスケープゴーティング現象として、 事故報道(JR福知山線脱線事故…

釘原直樹『スケープゴーティング』 その3 メカニズム

(3)スケープゴーティングのメカニズム ▶動 機 ①罪悪感の抑圧・投影(精神分析理論) ②欲求不満の解消(欲求不満攻撃理論) どちらも自分のマイナスの感情を別の誰かに投影して攻撃することで自分を保とうとするメカニズムです。この2つの違いは、そのマ…

釘原直樹『スケープゴーティング』 その2 いけにえはヤギかヒツジか問題

(2)いけにえの……ヤギ? ▶ところで、話は大きく脱線しますが、ちょっとここで確認しておきたい点があります。じつは私、この本のタイトルと表紙のヤギをみて、困惑してしまったのです。 スケープゴート(scapegoat)というくらいだから、いけにえは当然な…

釘原直樹編『スケープゴーティング』 その1 定義

今回の本の感想はこちら、釘原直樹編『スケープゴーティング:誰が、なぜ「やり玉」に挙げられるのか』(有斐閣、2014年)です。 表紙のかわいさに惹かれて手に取りました。 いけにえのヤギでございます。めぇめぇ。 (1)定 義 ▶導入部はもちろん「スケー…