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虫に鳥にも

読んだもの、見聞きしたものの記録に。

井田良・太田達也編『いま死刑制度を考える』 その3 死刑適用基準

(5)日本の死刑適用基準――第4章:原田國男 ■永山事件基準 本章では、日本において死刑適用基準となっている「永山事件基準」について説明がなされています。永山事件基準とは、1968(昭和43)年に、当時19歳であった永山則夫が2名のタクシー運転手と2名の…

井田良・太田達也編『いま死刑制度を考える』 その2 修復と応報

(3)修復的正義――第2章:高橋則夫 第2章は、被害者(遺族)の応報感情と刑事司法についての論稿です。*1 まずは、前提として、①被害者遺族が死刑を望むのは当然の感情であること、②法は応報感情のみで行使されるわけではないこと、この2点を押さえたう…

井田良・太田達也編『いま死刑制度を考える』 その1 「制度」を「考える」

△井田良・太田達也編『いま死刑制度を考える』(慶應義塾大学出版会、2014年)*1 (1)はじめに 私が卒論を書くときに、この本があればな……と思いました。死刑に関する本って、たいていは存置論か、廃止論か、どちらかの立場で書かれます。それは良いとして…

飯田高『法と社会科学をつなぐ』 その3 「社会」と「世間」

(4)「社会」と「世間」 今回はちょっとタイムリーなテーマかもしれません。 ■社会的な苦痛 世の中には人間嫌いという人がいます。私ももう少し若い頃には、自分は人間嫌いなのだと思っていましたが、正確にいうと、社会的なやりとりが嫌いなのだと思いま…

飯田高『法と社会科学をつなぐ』 その2 「われわれ」意識

(3)「われわれ」意識 ■社会的動物 前回、人間は社会的な動物である、という表現を使いました。有名な言い回しですね。 社会的動物 social animal, political animal アリストテレスが社会的=ポリス的存在として人間を規定したことば。この種の規定として…

飯田高『法と社会科学をつなぐ』 その1 カスケード現象

▲飯田高『法と社会科学をつなぐ』(有斐閣、2016年) (1)目次構成 ここで取り上げられている社会科学とは、経済学、心理学、社会学の領域です。目次構成は以下のようになっています。 第1章 個人の意思決定 インセンティブ/意図せざる結果/限界効果/…