虫に鳥にも

読んだもの、見聞きしたものの記録に。

文学・小説(読書記録)

シェイクスピア作・木下順二訳『マクベス』 フェアとファウル

△シェイクスピア作/木下順二訳『マクベス』(岩波書店、1997年) 11世紀スコットランドの勇敢な武将マクベスは、魔女の暗示にかかり王ダンカンを殺し、悪夢の世界へ引きずり込まれてゆく。シェイクスピア(1564‐1616)は、1600年に36歳で『ハムレット』書い…

斎藤茂吉『万葉秀歌 下巻』(岩波書店):老若男女、恋の歌(2)

▶引き続き恋の歌を選んでいきます。 ◆君が行く道の長路を繰り畳ね焼き亡ぼさむ天の火もがも 狭野茅上娘子 (きみがゆく みちのながてを くりたたね やきほろぼさむ あめのひもがも) あなたが、越前の方においでになる遠い路をば、手繰りよせてそれを畳んで…

斎藤茂吉『万葉秀歌 下巻』(岩波書店):老若男女、恋の歌(1)

▶上巻では、感情と自然とがとけあったおおらかな言葉の響きに魅了されましたが、下巻では恋の歌が印象的でした。ここでも幾つか、心に残ったものを書きとどめておきます。 ◆垂乳根の母に障らばいたづらに汝も吾も事成るべしや 作者不詳 (たらちねの ははに…

斎藤茂吉『万葉秀歌 上巻』(岩波書店):自然、感情、言葉の一体感(2)

▶引き続き、私の好きな歌について書いていきます。 ◆世間を憂しと恥しと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば 山上憶良 (よのなかを うしとやさしと おもえども とびたちかねつ とりにしあらねば) この反歌一首の意は、こう吾々は貧乏で世間が辛いの恥か…

斎藤茂吉『万葉秀歌 上巻』(岩波書店):自然、感情、言葉の一体感(1)

▶本書は、歌人である斎藤茂吉が、万葉集に収められた歌のうち、長歌をはぶいた4200足らずの短歌のなかからおよそ400首の秀歌を選んで、評釈を加えたものです。 まずは鑑賞の心構えとして、「序」に記された著者の以下の言葉を紹介します。 ……選んだ歌に簡単…